編集長挨拶

『糖尿病・内分泌プラクティスWeb』の創刊にあたって

野田 光彦

国際医療福祉大学 市川病院 教授
野田 光彦

 1984年に創刊された『糖尿病プラクティス』(当初の誌名は『プラクティス』)は、糖尿病医療に携わる医師や医療スタッフに力強く支えられ、池田義雄先生、河盛隆造先生、そして私自身へと、三代の編集委員長のもと、この分野の最新情報を、“よりわかりやすく、より役に立つ” べく発信していく視点で刊行が続けられてまいりました。爾来、創刊から約40年の長きに亘り、この点こそが読者から多大なるご支援を頂戴してきた所以であると考えております。
 今般、医歯薬出版株式会社が長く出版してまいりました、この『糖尿病プラクティス』をデジタル化し、『糖尿病・内分泌プラクティスWeb』として新たに刊行する運びとなりました。時代の変化に即応し、タイムリーで臨床に直結する医療と医学の最新知見を求める読者のニーズにマッチした誌面作りを至上命題として、のみならず、Webの特色を生かした有機的かつ動的な誌面構成を実現しつつ、引き続き有益な医療情報や知見お届けすることができるとすれば、それは、Web版でも編集長の任にあたらせていただく当方にとりまして、望外の喜びであるとの思いをつよくしております。
 今回、デジタル版の創刊に際して大きく変わった点は、対象疾患分野を従来の糖尿病の領域からさらに拡げ、内分泌領域をも包含するべく決断したことです。折しも、日本専門医機構が認定するサブスペシャルティ領域の専門医として、新たに内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医の認定が開始されることになりました。まさに、この内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医制度の産声を聞くこのタイミングにおいて本誌を新たに刊行できることは、このうえなく時宜に適ったものであるとの感懐に至っているところです。このような創刊の志に牢固に立脚し、今後とも、弛むことなく、読者諸賢からのご指導とご示唆を賜りながら、前身である『糖尿病プラクティス』からの最近のアーカイブも保持しつつ、動画メディアや、インターネットの利便性を活かした参加型の企画なども通して、時代を先取りした斬新な内容や専門医制度にも即応したコンテンツをお届けしたいと考えております。
 この『糖尿病・内分泌プラクティスWeb』を、糖尿病・内分泌領域における新たな電子ジャーナルの柱石として、多くの医師や医療スタッフの方々にご利用いただけるよう、次世代医療情報媒体の基幹を支え、その先駆けとなるべく、画期的で革新的な情報提供を指向しながら、日々運営してまいる所存です。
 本誌への末永いご愛顧とご愛読を、あらためて心よりお願い申し上げ、本誌創刊の辞を擱筆させていただきます。