はじめに 食塩制限は栄養指導の中でも最も基本となるところであり、多くの慢性腎臓病(CKD)患者は食塩制限を指導されている。CKD患者にとって食塩制限は非常に理にかなっていそうだが、臨床研究に裏打ちされたエビデンスはどの程度あるのだろうか。2023年に日本腎臓学会による「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」が発行されたが 1)、筆者は「CKD患者への食塩制限は推奨されるか?」に対するステートメントに対してシステマティックレビューの取りまとめを担当させていただいた。本稿ではCKD患者の高血圧管理に関して、食塩制限を中心に概説したい。
ポイント 甲状腺のしこりを「甲状腺結節」、結節により甲状腺が腫れている状態を「結節性甲状腺腫」という。 経過観察期間についてのエビデンスは乏しいが、ACR-TIRADSでは5年としている。 欧米では細胞診検体による遺伝子パネル検査が実用化され、診断的治療を目的とした甲状腺手術は抑制される方向になりつつある。 多結節性甲状腺腫は遺伝性疾患に関連していることがあり、該当する疾患を知っておくことが必要である。
新型コロナウイルスの脅威がすっかり過ぎ去ったかのような社会全体のムードに伴って人々が行き交うようになり、学会や講演会も現地で開催されることが増えてきた。昨年12月には2週連続で週末開催の学会に参加し、リアルタイム(rt)CGMに関するランチョンセミナーでの講演を行ってきた。
はじめに 糖尿病治療の目的は、「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLの実現を目指すこと」とされており、糖尿病に関連する合併症を防ぐことである。英国で行われたUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)において血糖以上に血圧コントロールがより有効に、効率的に合併症を防げることが明らかとなり、糖尿病合併高血圧患者の降圧治療は必須である。
Q&A編はこちら はじめに ―運動療法に行動経済学を取り入れる 皆さんは、目の前の患者に対して、「なぜ、この方は運動しようとしないのか?」「なぜ、この方も運動療法が続かないのだろう?」と感じたことはないだろうか? そう、「ヒトは不合理な行動をとる生き物」 1)である。運動が体にいいことは100人中100人は分かっている。行動経済学とは、人間が必ずしも合理的な行動をとらないことに注目し、人間の心理的、感情的側面の現実に即した分析を行う学問である。「ヒトは不合理な行動をとる生き物」と考えるのである。
はじめに 医療計画 1)は、都道府県が国の定める基本方針に即し、地域の実情に応じて都道府県における医療提供体制の確保を図るために策定するものである。1985年に医療計画制度が導入され、2006年の第五次医療法改正においては、糖尿病を含む4疾病と5事業の具体的な医療連携体制が位置付けされた。そして2024年度からの第8次医療計画では、対象が「5疾病・6事業および在宅医療」となり、都道府県別に6年間の医療計画が策定されて推進される。5疾病は、「がん」、「脳卒中」、「心筋梗塞などの心血管疾患」、「糖尿病」、「精神疾患」、6事業は、「救急医療」、「災害時における医療」、「新興感染症発生・まん延時における医療」、「へき地の医療」、「周産期医療」、「小児医療(小児救急を含む)」であり、これらに「在宅医療」が加わる。今回は、この医療計画と、その中核に含まれる糖尿病について概説する。
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