副腎腫瘍をみたらどうするか

  • 北村雄哉 Kitamura, Yuya
    九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学
    馬越真希 Umakoshi, Maki
    九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学 助教
公開日:2025年6月10日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2025; 3(3): 0042./J Pract Diabetes Endocrinol. 2025; 3(3): 0042.
https://doi.org/10.57554/2025-0042

はじめに

 画像検査の普及により予期せず副腎腫瘍が発見されるケースが増えており、これを副腎偶発腫瘍と呼ぶ。成人での有病率は1~6%と報告されており、加齢とともに指摘される頻度は増加し、70歳以上では約7%となる 1)。新規に指摘された副腎偶発腫瘍では、悪性腫瘍やホルモン産生腫瘍の可能性を評価し、適切な対応を行う必要がある。本稿では副腎偶発腫瘍をみた時に評価すべきポイントと、どのようにマネジメントすればよいかについて、症例を提示しながら考える。

1.病因

 本邦における副腎偶発腫瘍3,678例の疫学調査 2)によると、副腎偶発腫瘍の病因はホルモン非産生腺腫が約51%と半数以上を占め、以下コルチゾール産生腺腫、褐色細胞腫、アルドステロン産生腺腫の順であった(図1)。調査時点と現在ではサブクリニカルクッシング症候群の診断基準が異なるため、ホルモン非産生腺腫の中には現在のサブクリニカルクッシング症候群が含まれていると考えられる。その他の中には骨髄脂肪腫、嚢胞、交感神経系腫瘍などが含まれる。

図1  副腎偶発腫瘍の病因別頻度
図1  副腎偶発腫瘍の病因別頻度

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