ないないづくしの糖尿病診療

  • 相澤 徹 Aizawa, Toru
    前 相澤病院 糖尿病センター 顧問
公開日:2025年8月28日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2025; 3(4): 0065./J Pract Diabetes Endocrinol. 2025; 3(4): 0065.
https://doi.org/10.57554/2025-0065

はじめに

 私が医学部を卒業したのは1975年。その当時の糖尿病外来診療を思い出してみる。

インスリン注射について

インスリン自己注射はない

 1975年当時は、インスリン自己注射は保険収載されていなかった。つまり患者さんは自己注射できなかった。その後、6年の年月とさまざまな紆余曲折を経て、1981年、インスリン自己注射はようやく正式に保険適用となった。

ヒトインスリンはない

 インスリンはブタの膵臓から抽出・精製された製剤であり、インスリン注射で治療している患者さんにはインスリン抗体はあるのが当たり前であった。

インスリンの種類

 当時、中間型インスリンはNPHインスリンとレンテインスリンの2つがあり、レンテインスリンが主流であった。もう1種類はレギュラーインスリンがあるだけ。この2種類のインスリンの作用時間の違いにもとづいて、経口薬、食事療法、運動療法などの効果を頭の中で組み合わせて、治療方針法を組み立てるのが通例であった。

経口糖尿病薬について

 ビグアナイドはアメリカで行われた臨床研究の結果、乳酸アシドーシスの危険性が高いという解釈で使用が制限され、「フェンホルミンには該当するもののメトホルミンには該当しないにもかかわらず、統計の解釈に十分な区別がなされていなかった(らしい)」ため、使用禁止に近い状態。勇気のある先生はブホルミンを少数例処方されていた。スルホニル尿素(SU)薬はグリベンクラミドとトルブタミドが主流で、クロルプロパミドがまれに処方される状況であった。

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