第82回 糖尿病と認知症

  • 中島尚登 Nakajima, Hisato
    伊勢原駅前クリニック
    野口美有紀 Noguchi, Miyuki
    伊勢原駅前クリニック
公開日:2026年2月26日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(1): 0016./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(1): 0016.
https://doi.org/10.57554/2026-0016

はじめに

 最近の疫学研究では、糖尿病による全認知症の発症リスクは1.7倍、アルツハイマー型認知症は1.6倍、血管性認知症は2.2倍となることが示された。また久山町の縦断調査では、糖尿病の有病率が20%上昇すると2025年には認知症者が675万人から730万人へと増加することも示され、糖尿病の適切な管理・治療が、認知症の予防・治療に大きな役割を果たすことが示唆される 1)。さらに、アルツハイマー型認知症や血管性認知症よりも、糖代謝異常に伴う神経障害が認知症の発症に深く関わっている一群があり、現在"糖尿病性認知症"という概念も確立されつつある。
 本稿では、糖尿病と認知症の関係性を踏まえ、認知症診療における医療保険制度の概要と、医科点数表の算定項目について概説する。

1.D285 認知機能検査その他の心理検査(表12, 3)

 認知機能検査その他の心理検査の各区分のうち、以下のものをいう。

  • 1」の「」の「簡易なもの」とは、認知症(疑いを含む)の早期発見を目的とする表1の①に示すような検査であり、原則として3月に1回に限り算定する。そして長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)ミニメンタルステート検査(MMSE)が該当する。
  • 1」の「操作が容易なもの」とは、表1の②に示すような、検査および結果処理に概ね40分以上を要するものである。
  • 2」の「操作が複雑なもの」とは、表1の③に示すような、検査および結果処理に概ね1時間以上を要するものである。
  • 3」の「操作と処理が極めて複雑なもの」とは、表1の④に示すような、検査および結果処理に1時間30分以上要するものをいう。

 そして、同一日に複数の検査を行った場合であっても、主たるもの1種類のみの所定点数により算定する

表1 認知機能検査その他の心理検査(文献2, 3より)
表1 認知機能検査その他の心理検査文献2, 3より)

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