5.腎疾患のある2型糖尿病(透析中を含む)の経口血糖降下薬療法

  • 角谷佳則 Kakutani, Yoshinori
    大阪公立大学大学院 医学研究科 代謝内分泌病態内科学 病院講師
    繪本正憲 Emoto, Masanori
    大阪公立大学大学院 医学研究科 代謝内分泌病態内科学 教授
公開日:2023年2月9日
No:a0006/https://doi.org/10.57554/a0006

はじめに

 2型糖尿病における腎機能障害は、スルホニル尿素(SU)薬による低血糖やビグアナイド薬による乳酸アシドーシスなど、経口血糖降下薬による臨床上重要な有害事象と関連が深い。薬剤により異なる、代謝および排泄における腎の寄与や、代謝物の血糖低下作用を理解することが、有害事象回避のために重要である。近年は、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下やアルブミン尿の抑制に効果のある薬剤の登場により、腎機能低下を有する2型糖尿病の治療は大きく変わりつつある。すなわち、腎機能の低下につれて選択肢が狭まっていく、という消極的な薬剤調整だけではなく、腎保護作用を期待しあえて選択する、という積極的な調整ができるようになった。本稿では、薬物代謝と糖代謝が腎機能低下によってどう変化するかについて述べ、腎機能低下時の薬剤選択における注意点、腎保護作用を持つ薬剤の現時点でのエビデンスについて概説する。

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糖尿病の経口血糖降下薬(非インスリン)療法 ―ナラティブとエビデンスで紡ぐ近未来― 一覧へ