1.肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬関連ペプチド

  • 西澤 均 Nishizawa, Hitoshi
    大阪大学大学院医学系研究科 代謝血管学寄附講座 准教授
    下村伊一郎 Shimomura, Iichiro
    大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 教授
公開日:2023年9月6日
No:a0064/https://doi.org/10.57554/a0064

はじめに

 “肥満症”とは、BMI≧25の“肥満”のうち、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合(内臓脂肪型肥満)で、医学的に減量を必要とする病態をいい、疾患単位として取り扱う(表1 1)。また肥満症のうち、BMI≧35を高度肥満症とし明確に区別する。疾病側からみればその成因はさまざまであるが、肥満・内臓脂肪蓄積がその基盤にある病態とそうでないものを区別し合併症検索を行っていくとともに、肥満症では減量指導を第一に治療介入する意義を明確にすることが重要である。肥満症においては、食事・運動・行動療法を基本とした減量・内臓脂肪減少による健康障害の包括的な改善を目指すことを第一とするが、それらに抵抗性を示す主に高度肥満症例に対し、薬物治療や外科治療が考慮される。25≦BMI<35の肥満症の場合は、3~6カ月で現体重の3%以上の、BMI≧35の高度肥満症では現体重の5%以上の減量を目指す(図1 1)

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