2. 肥満症治療薬の今後の展開

  • 廣田勇士 Hirota, Yushi
    神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学部門 准教授
公開日:2023年9月26日
No:a0065/https://doi.org/10.57554/a0065

はじめに

 世界の多くの国において肥満者の割合は増加し続けており、本邦における20歳以上のBMI 25kg/m2 以上の肥満者の割合は、男性33.0%、女性22.3% 1)に達している。肥満は糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症などの代謝性疾患のみならず、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、月経異常といったさまざまな健康障害を引き起こす。日本肥満学会は、「肥満症」を「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患」と定義し、「肥満症治療指針」では、食事、運動、行動療法を行ったうえで減量目標が未達成の場合、肥満症治療食の強化や薬物療法、外科療法の導入を考慮することを示している 2)。肥満症治療薬として、持続性GLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬セマグルチド(商品名:ウゴービ皮下注)が、本邦において承認を得たが、2023年現在、複数の薬剤が開発中である(図1)。本稿では、開発中の肥満症治療薬の現状とその展望について解説する。

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