つくば霞ヶ浦りんりんロードは、るんるんとはいかなかった

  • 山下滋雄 Yamashita, Shigeo
    JCHO東京山手メディカルセンター 糖尿病内分泌科 部長
公開日:2023年9月28日

 お誘いを受けて、梅雨の晴れ間のとある日曜日に、久しぶりの輪行そしてグループライドに参加した。cTDJ(cycling Team Diabetes Japan)による、およそ3年振りの企画である。cTDJとは、一見TDJ(Team Diabetes Japan)のサイクリング部門であるかのように思えるが、TDJの下部組織というわけではなく勝手に仲間内で名乗っているだけであり、したがって当然であるが公益社団法人日本糖尿病協会(日糖協)から公認を受けているわけではない。もちろん、日糖協へのチャリティーも行っていない。

 本家(というべきではないのだろうが)TDJの方は、マラソンやウォークを通じて、糖尿病患者間の交流、治療継続意欲の向上、および糖尿病でない多くの国民に生活習慣病予防の啓発を目指すことを主旨・目的とした、日糖協の行う事業に基づくチームである(https://www.nittokyo.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=7)。患者さんだけではなく、家族、医療関係者、企業、ボランティアなど、あらゆる方々が一緒に参加することによって連帯感を持つことを訴えかけている。cTDJの方はというと、1型糖尿病を持つ自転車好きが中心メンバーであるが、これまで糖尿病診療に関わる医療スタッフや、2型糖尿病を持つ自転車愛好家にも参加してもらってきた。言うなれば、患者会や診察室、SNS等で知り合った、自転車好き仲間のサークルである。主旨・目的は、TDJと同様と言えなくもない。日糖協を介するか介さないか、ホノルルまで行くか土浦まで行くかの違いであろう。
 今回の趣旨としては、横浜市鶴見区で地域の糖尿病診療に多大なご尽力をいただいている「松澤内科・糖尿病クリニック」院長の松澤陽子先生が、最近ロードバイクを購入されたと聞きつけたので、是非ともcTDJにお迎えして一緒に走りましょうということになったのである。松澤先生は登山を趣味とされているような、元々アクティブな方なのだが、なにせロードバイクは初心者とのことで、車道の左端を走行することに慣れておらず、周囲の自動車や歩行者を気にすることなくロードバイクでの走行に集中できるようなサイクリングがしたいとのご希望であった。
 そういうことならばと、cTDJの中心メンバーであるKさんが目をつけたのが、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」である。つくば霞ヶ浦りんりんロードの全貌は、土浦駅を起点として東側の霞ヶ浦方面コース、西側の旧筑波鉄道廃線敷を活用したコースからなる、全長約 180 km のサイクリングコースである。土浦駅には、駅直結のサイクリング拠点施設である「りんりんスクエア土浦」が設けられ、シャワー、コインロッカー、更衣室だけではなくサイクルショップやレンタサイクルまで完備されている。cTDJではかつて東側のコースに取り組み、霞ヶ浦一周(通称カスイチ)を果たしたので、西側のコースを走破すればコンプリートできる。しかも、大部分が廃線跡を整地して造られたサイクリング専用の道路であり、鉄道路線だった頃の駅施設などが多数残されているという。まさに鉄・輪人のための、夢のような環境である。
 余力のある若者は土浦まで自走したが、橫浜から参加する松澤先生とKさん、Nさんは常磐線直通列車で輪行するというので、品川駅から合流した。輪行のための自転車解体袋詰め作業も4年振りなので心配したが、意外に手順を覚えているもので、高輪ゲートウェイ駅前に人気がないのも幸いし、なんとか間に合った。早朝の車内は空いているので、大荷物を抱える我々にとっては都合がよい(写真1)。土浦駅の通路には、自転車の分解・組み立て専用スペースが用意されており、専用ラックも設置されているのがありがたい(写真2)。

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