いい湯だな
公開日:2023年5月25日
No:a0046/https://doi.org/10.57554/a0046
日曜日の昼下がり、突然、温泉に行きたくなる。福井に住んでいた三十数年前なら、夕陽が沈む時間を見計らって車を飛ばし、越前海岸の日帰り温泉「漁火(いさりび)」に向かっていたところだ。露天風呂にゆったりと浸かり、潮騒に耳を澄ませながら、夕陽が水平線に完全に沈むまで日本海の景色を堪能する。丸い太陽が水平線に隠れるほんの少し前には、オレンジ色の光が一瞬真横に広がって、今日一日への別れの挨拶のように見える。日が完全に沈んだ後の、海の碧と空の青との間に横たわる茜色のグラデーションも、太陽が退場した後の余韻として誠に相応しい幕引きだ。
シン鉄・輪だより ~鉄人糖尿病ドクターによる銀輪の旅~ 一覧へ