1.本態性高血圧の成因・診断・治療法―神経調節異常と本態性高血圧

  • 篠原啓介 Shinohara, Keisuke
    九州大学病院 循環器内科
公開日:2024年3月13日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(2): 0018./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(2): 0018.
https://doi.org/10.57554/2024-0018

はじめに

 高血圧の発症や進展、高血圧性臓器障害において、交感神経活性化を主体とした神経調節異常が重要な役割を果たしている。交感神経系は、血圧調節に関与する心臓、腎臓、血管などの末梢臓器に強力に作用し、血圧上昇の方向に働く。また、脳は末梢からさまざまな入力を受け、それらを統合・調節し交感神経出力を制御している。本稿では、心・腎・血管の各臓器に対する交感神経系の働きについて概説し、さらに、高血圧における中枢性循環調節機構と、交感神経系亢進の診断と関連する治療について、最新の知見も含めて述べる。

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