4.内分泌性二次性高血圧アップデート

  • 吉田雄一 Yoshida, Yuichi
    大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 助教
    柴田洋孝 Shibata, Hirotaka
    大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 教授
公開日:2024年4月2日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(2): 0021./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(2): 00021.
https://doi.org/10.57554/2024-0021

はじめに

 二次性高血圧は、ある特定の原因による高血圧であり、一般に難治性である。しかし原因を正しく診断し治療が行われれば、その後血圧の改善の見込みもある疾患であり、適切な診断、治療が求められる。今回、二次性高血圧の中でも内分泌異常が原因となる原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫・パラガングリオーマについて述べる。

1.原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)

1)疾患の概要

 PAは高血圧全体の3~12%程度 1)を占める非常に多い疾患である。PAは副腎からのアルドステロン過剰産生により、腎尿細管でナトリウムの再吸収が促進され高血圧をきたし、同時にカリウム排泄を促進させ低カリウム血症をきたす。PAによる高血圧は難治性であり、脳血管疾患、虚血性心疾患、心房細動などの合併症が本態性高血圧の3~5倍多いとされている。近年本邦で行われたPA患者に対する他施設共同の後ろ向き研究(JPAS)において、PAは心血管疾患9.4%、脳卒中7.4%、不整脈4.0%と高率に合併症を発症していることが確認された 2)。PAは、一側性の腺腫によるアルドステロン産生腺腫(aldosterone-producing adenoma:APA)と両側性の過形成を呈する特発性アルドステロン症(idiopathic hyperaldosteronism:IHA)の2つのサブタイプに分類される。

2)診断方法

 PAの診断は、①スクリーニング、②機能確認検査、③局在診断(サブタイプ診断)の順番で行われる。診断アルゴリズムを図1に示す。

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