≪Ⅱ 臨床現場におけるスポーツとホルモン≫ 2.男性ホルモンとスポーツ
公開日:2024年6月13日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(3): 0039./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(3): 0039.
https://doi.org/10.57554/2024-0039
https://doi.org/10.57554/2024-0039
はじめに
過度で持続的な運動は視床下部~下垂体~性腺系を抑制し性腺機能低下症を引き起こす可能性があり、女性アスリートにおいては無月経の原因となる。無月経に加えて、骨密度の低下、摂食障害を合わせて女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad:Triad)として報告されている 1)。しかし、男性アスリートにおける精巣機能の変化については十分明らかにされてはいない。一方、市民レベルでジョギングなどの有酸素運動や筋肉トレーニングは血中テストステロン上昇につながることも報告されている 2)。
本稿では男性ホルモンとその作用、男性ホルモン低下により出現する症状、運動による男性ホルモン低下、男性ホルモン補充療法のエビデンスなどについて概説する。