骨粗鬆症治療薬の使い分けQ&A

  • 野津雅和 Notsu, Masakazu
    島根大学医学部内科学講座内科学第一 学内講師
    山内美香 Yamauchi, Mika
    栄宏会小野病院 内分泌代謝内科
公開日:2024年11月29日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(6): 0090./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(6): 0090.
https://doi.org/10.57554/2024-0090

数年間のビスホスホネート製剤による骨粗鬆症治療にもかかわらず、治療効果が不充分と考えられる場合、どのように対応しますか?

まずはアドヒアランスの確認、すなわち、治療薬を適切な方法で確実に使用できているかを確認するとよいでしょう。この確認には骨代謝マーカーの測定が有用ですが、骨吸収マーカーは薬剤変更後3~6カ月後のみしか測定できませんので、骨形成マーカーを測定します。しっかりと服用できているにも関わらず骨形成マーカーが閉経前女性の基準値内に達しない場合は、治療効果が得られていないと判断します。ビスホスホネート製剤はビタミンD欠乏状況では効果が得られないことが知られていますので、その場合は活性型ビタミンD製剤を併用します。それでも効果不十分であれば、ビスホスホネート製剤の注射製剤やデノスマブ、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」に該当すれば骨形成促進薬へと切り替える、といった選択肢が考えられます。骨形成促進薬終了後に再度逐次療法として骨吸収抑制薬を使用する必要があることなどを理解したうえで、患者にも費用面を含めた治療の見通しや注意点を説明しながら切り替えるとトラブルが少ないと思います。

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