第75回 診療報酬改定2024 ―糖尿病・内分泌疾患に係るDPC/PDPSについて―

  • 中島尚登 Nakajima, Hisato
    伊勢原駅前クリニック
    野口美有紀 Noguchi, Miyuki
    伊勢原駅前クリニック
公開日:2024年12月23日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(6): 0092./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(6): 0092.
https://doi.org/10.57554/2024-0092

はじめに

 DPC(Diagnosis Procedure Combination)/PDPS(Per-Diem Payment System)は、2003年4月より82の特定機能病院を対象に導入された、急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日当たり包括払い制度である。そして2024年6月1日時点で1,786病院・約48万床が対象となり、「急性期一般入院基本料等」に該当する病床の約85% 1)を占める。
 今回は、このように普及したDPC/PDPSについて、糖尿病・内分泌疾患を対象に、2024年診療報酬改定に基づいた内容を概説する。

1.DPC/PDPSの基本事項(図1, 表1, 図21~3)

 包括評価の基本原則として評価の対象は、バラつきが比較的少なく、臨床的にも同質性・類似性・代替性のある診療行為または患者群としている。そして、平均的な医療資源投入量を包括的に評価した定額報酬(点数)を設定し、包括評価(定額点数)の水準は出来高報酬の点数算定データに基づいて算出している。
 DPC(診断群分類)は、

  • ①「診断(Diagnosis)(医療資源を最も投入した傷病名)」
  • ②「診療行為(Procedure)(手術、処置等)等」の「組合せ(Combination)」

 これらの順に14桁の英数字で構成され、DPC/PDPSは診断群分類に基づく1日当たり定額報酬算定制度を意味する。DPCの14桁の英数字のうち、図1のように上6桁の1層目は傷病名の層で、表1に示すMDC(Major Diagnostic Category:主要診断群)コード18種類と傷病名の細分類は疾患コードで、医療資源病名がどの6桁分類に属するかを示す。9・10桁目の2層目は手術の層で、実施した手術がどの手術分類に属するかを示す。11~14桁目の3層目は処置、副傷病名、重傷度の層で、手術・処置1、2、副傷病の有無、重症度などを示す。なお、「手術」、「手術・処置等1、2」で示されるKコードは、医科診療報酬点数表で定めている手術のコードである。「定義副傷病名」で示されるICDコードは、「疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」であり、世界保健機関が作成した分類である。

図1 DPCの構成(項目の詳細)(文献2より)

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図1 DPCの構成(項目の詳細)文献2より)

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