第76回 糖尿病に係る在宅療養指導管理料と在宅療養指導管理材料加算2024
https://doi.org/10.57554/2025-0015
はじめに
医科診療報酬点数表の第2部在宅医療は、第1節在宅患者診療・指導料、第2節在宅療養指導管理料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療材料料に分かれ、その第2節の第1款が在宅療養指導管理料(35項目)、第2款が在宅療養指導管理材料加算(33項目)である。今回は、在宅自己注射指導管理料をはじめとする糖尿病に係る在宅療養指導管理料と在宅療養指導管理材料加算について概説する。
1.在宅療養指導管理料の通則について(表1)1, 2)
在宅療養指導管理料は、医師が療養上必要な事項について適正な注意および指導を行った上で医学管理を十分に行い、かつ、各在宅療養の方法、注意点、緊急時の措置に関する指導などを行い、併せて必要十分な量の衛生材料および保険医療材料を支給した場合に算定する。衛生材料または保険医療材料の支給に当たっては、訪問看護事業者から、訪問看護計画書により必要量の報告があった場合、医師は、その報告を基に衛生材料などを支給する。訪問看護報告書により衛生材料などの使用実績について報告があった場合は、医師は、衛生材料の量の調整、種類の変更などの指導管理を行う。また医師は、訪問看護計画書などを基に衛生材料を支給する際、保険薬局に対して、必要な衛生材料の提供を指示することができる。
在宅療養指導管理料は、特に規定する場合を除き月1回に限り算定するが、1月以内に指導管理を2回以上行った場合は、第1回の指導管理の時に算定する。2以上の在宅療養指導管理を行った場合は、主たる指導管理の所定点数のみを算定し、在宅療養を指示した根拠、指示事項、指導内容の要点を診療録に記載する。
入院中の患者に対して、退院時に退院後の在宅療養指導管理を行った場合は、退院日1回に限り、在宅療養指導管理料の所定点数を算定できるが、退院月に外来、往診または訪問診療にて行った指導管理の費用は算定できない。死亡退院および他の病院・診療所へ入院するため転院した場合も算定できない。よって、退院日に在宅療養指導管理料を算定していない場合に限り、退院月に外来、往診または訪問診療において在宅療養指導管理を行った場合は在宅療養指導管理料を算定することができる。また、退院日に在宅療養指導管理料を算定した保険医療機関以外の保険医療機関において在宅療養指導管理料を算定する場合には、診療報酬明細書の摘要欄に当該算定理由を記載する必要がある。

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