第73回 診療報酬改定2024 ―糖尿病を中心に―

  • 中島尚登 Nakajima, Hisato
    伊勢原駅前クリニック
    野口美有紀 Noguchi, Miyuki
    伊勢原駅前クリニック
公開日:2024年8月30日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(4): 0064./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(4): 0064.
https://doi.org/10.57554/2024-0064

はじめに

 2024年度診療報酬改定については、2023年12月20日予算大臣折衝を踏まえ、診療報酬の改定率は+0.88%(医科 +0.52%、歯科 +0.57%、調剤 +0.16%)となった 1)。そして2024年1月12日付けの厚生労働大臣諮問に対し、2月14日に中央社会保険医療協議会より改定案が答申された 2)。答申書では、賃上げ全般、医療DX(Digital Transformation)、働き方改革・人材確保など、28項目の附帯意見が記載され、これらの意見に従って個別項目が改定され、「診療報酬の算定方法の一部を改正する告示」は、6月1日からの適用となった 3)
 よって今回は、改定された医科点数表の、糖尿病に係る項目の告示、通知および施設基準について、表1に示す「個別改定項目」 4)に従って概説する。なお、本稿で示す各表では、新設・改定箇所を青字で記した。また次回では、内分泌疾患を中心に改定内容を概説し、DPC (Diagnosis Procedure Combination:包括評価)制度については、別途概説する。

表1 個別改定について文献4より)
表1 個別改定について(文献4より)

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1.外来医療の機能分化・強化など ―生活習慣病に係る医学管理料の見直し

 生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料について要件および評価を見直すとともに、特定疾患療養管理料の対象疾患から、生活習慣病である、糖尿病、脂質異常症および高血圧が除外された 4)。生活習慣病管理料は名称を「生活習慣病管理料(I)」とし、検査などを包括しない「生活習慣病管理料(II)」が新設された 4)

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