第72回 糖尿病と診療報酬改定DX・2024
公開日:2024年5月27日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(3): 0049./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(3): 0049
https://doi.org/10.57554/2024-0049
https://doi.org/10.57554/2024-0049
はじめに
超高齢社会に直面したわが国では、社会保障制度を持続可能なものとすることが不可欠である。また、自然災害の発生や新型コロナウイルス感染症の流行により安全保障や危機管理の観点からも、これらの情報の利活用推進、および医療分野のセキュリティ対策の強化が必須である。2022年6月7日閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針 2022」において、「全国医療情報プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化等」および「診療報酬改定DX(Digital Transformation)」の取組を行政と関係業界が進めることとし、内閣総理大臣が本部長になり関係閣僚により構成される「医療DX推進本部」が設置され、政府を挙げて施策を推進していく旨が打ち出された 1)。そして、進化するデジタル技術を最大限に活用し、医療機関などにおける負担の極小化を目指すことを最終ゴールとした「診療報酬改定DX対応方針」が示された 2)。
今回は、このような「医療DX」の推進、および「診療報酬改定DX」について、2024年度診療報酬改定の答申を踏まえ、診療報酬改定DXおよび糖尿病とのかかわりについて概説する。