二次性高血圧の鑑別Q&A
公開日:2023年8月8日
No:a0060/https://doi.org/10.57554/a0060
「二次性高血圧の鑑別」に関するQ&Aです。
血漿アルドステロン濃度の測定がCLEIA法に変更になりましたが、原発性アルドステロン症のスクリーニング検査や機能確認検査の基準はどのように考えればよいか、教えてください。
本文にも記載したように、血漿アルドステロン濃度(PAC)についてRIA(スパック-Sアルドステロンキット)法による測定から、2021年4月以降、多くの施設においてCLEIA(non-RIA法)キットによる測定に変更となりました 1)。この変更に伴い、臨床の現場でLC-MS/MS相当値を用いることができるようになった一方で、CLEIA測定値は従来のRIA測定値よりも明らかに低値となるため、PAにおける従来のスクリーニング、診断法のカットオフ値の運用について混乱が生じました(例えばPACの測定においてRIA法を用いると120pg/mLと報告されていたものがCLEIA法での測定では60pg/mL前後で報告されるなどです)。そこで2021年に発刊された原発性アルドステロン症診療ガイドラインではPAの診断について「境界域」(従来のRIA法によるPACであれば診断されていたはずのPA)が設けられることになりました。
図1にCLEIA法によるPAC測定値を用いたPAの新しい診断アルゴリズムを提示します。