第66回 糖尿病の内服薬2022

  • 中島尚登 Nakajima, Hisato
    伊勢原駅前クリニック
    野口美有紀 Noguchi, Miyuki
    伊勢原駅前クリニック
公開日:2023年6月29日

はじめに

 厚生労働省の2013年度から2017年度の調査 1)によると、SU薬(スルホニル尿素薬)、α-GI(α-glucosidase inhibitor:α-グルコシダーゼ阻害薬)、チアゾリジン薬の薬剤料は減少傾向であるが、BG薬(ビグアナイド薬)、速効型インスリン分泌促進薬、GLP-1受容体作動薬(Glucagon-like peptide-1受容体作動薬)、DPP-4阻害薬(選択的Dipeptidyl peptidase-4阻害薬)、 SGLT2阻害薬(選択的Sodium glucose cotransporter-2阻害薬)、糖尿病配合薬の薬剤料は、徐々に増加傾向である。そして2017年度の血糖降下薬の薬剤料 1)は総額4,271億円であり、その内訳は、DPP-4阻害薬が1,873億円、インスリン製剤が624億円、SGLT2阻害薬が493億円、配合薬が357億円、α-GIが259億円である。そして糖尿病市場規模の予測は、2022年度は6,810億円、2025年度は7,000億円を突破すると予測される 2)
 このような現状の糖尿病治療薬について、2022年12月の薬価基準収載品目リスト 3)を中心に、今回は糖尿病と合併症が適応の内服薬の種類や効能・効果 4, 5)、および薬剤の処方に係る診療報酬の算定 6~9)について概説する。各医薬品の詳細については、本誌の各特集などを参考にされたい。

1.インスリン分泌促進薬
SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬、経口GLP-1受容体作動薬およびイメグリミンについて(表1~4

 表1に示すように、SU薬は第1世代、第2世代、第3世代に分けられる。効能・効果は、食事・運動療法のみで十分な効果が得られない場合の、第1・第2世代では「インスリン非依存型糖尿病」、第3世代では「2型糖尿病」である。そしてグリベンクラミドグリクラジドの後発品は「外来後発医薬品使用体制加算」の算定対象となる。

表1 SU薬(スルホニル尿素薬)について文献3~5より)
表1 SU薬(スルホニル尿素薬)について(文献3~5より)

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