第67回 糖尿病の検査2022(前編)
はじめに
糖尿病とその関連疾患に係る検査については、2年ごとの診療報酬改定の際に改定内容を概説してきた。今回は、2022年度の診療報酬改定に従い、「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)」 1)、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」 2)、および「特掲診療料の施設基準等およびその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」 3)、これらをもとに、糖尿病とその関連疾患が適応となる検査 4, 5)を、前編・後編に分けて概説する。前編では、検査の通則、検体検査判断料と検体検査管理加算、および検体検査の各項目について、後編では、呼吸循環機能検査、脳波検査、監視装置による諸検査、神経・筋検査、眼科学的検査、負荷試験および画像診断について概説する。各検査の医学的意義については、本誌の各特集などを参考にされたい。
1.医科診療報酬点数表「検査」の通則について(表1)
医科診療報酬点数表告示の第3部「検査」では、第1節に検体検査料(検体検査実施料と検体検査判断料)、第3節に生体検査料、第4節に診断穿刺・検体採取料、第5節に薬剤料、第6節に特定保険医療材料料が示されている(※第2節は病理学的検査であったが、2008年に削除され、第13部「病理診断」として、「検査」とは別扱いになった)。
第3部「検査」の通則によると、その費用は、検体検査実施料、検体検査判断料および生体検査料の各区分の所定点数により算定するが、検体を穿刺・採取した場合は、診断穿刺・検体採取料の各区分の所定点数を合算して算定する。検査に当たって患者に対し薬剤を施用した場合は、特に規定する場合を除き、各区分の所定点数および薬剤料の所定点数を合算した点数により算定する。保険医療材料を使用した場合は、各区分、薬剤料および特定保険医療材料料の所定点数を合算した点数により算定する。医科診療報酬点数表に掲げられていない特殊な検査の場合は、医科診療報酬点数表に掲げられている検査のうちで最も近似する検査の各区分の所定点数により算定する。また、対称器官に係る検査の所定点数は、特に規定する場合を除き、両側の器官の検査料に係る点数とする。
第1節検体検査料第1款検体検査実施料の通則では、入院外の患者について、緊急のために、診療時間外、休日または深夜において、保険医療機関内において検体検査を行った場合は、時間外緊急院内検査加算として、第1款の各区分の所定点数に1日につき200点を所定点数に加算できるが、外来迅速検体検査加算は別に算定できない。この外来迅速検体検査加算は、入院外の患者に実施した検体検査の結果について、検査実施日に説明し文書により情報を提供し、検査結果に基づく診療が行われた場合に、5項目を限度として、外来迅速検体検査加算として、検体検査実施料の各項目の所定点数にそれぞれ10点を加算する。