血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
公開日:2023年1月12日
No:a0011/https://doi.org/10.57554/a0011
はじめに
経口糖尿病薬はこの10年余りで種類が大幅に増え、個々の患者の病態に適した薬剤選択が可能となった。一方、その選択に必要な知識や情報が同様に増え、専門性が高まったこともまた事実である。
本稿では、病棟で2型糖尿病患者の担当になった場合、その患者の血糖値推移やその他の情報からどのように薬剤選択をするか、いくつかのポイントを立てて解説する。薬剤選択に決まった正解はないが、やみくもに組み合わせるのではなく、個々の患者により適した(利益が大きくリスクの少ない)選択ができるよう役立てていただければ幸いである。
1.症例(図1)

ポイント⓪ 経口糖尿病薬の大まかな機序、効果の把握
薬剤選択に入る前に、まず最低限の知識として経口糖尿病薬の種類とそれぞれの作用機序、効果を簡単に把握しておく(すべての把握が困難であればいつでも参照できるようメモとして持っておくとよい)。
特に、各薬剤が「食後」をターゲットとしているのか、「24時間(食後だけでなく早朝空腹時から夜間まで全体の血糖値)」をターゲットにしているのかを分けて考えるとわかりやすい(図2)。
