苦労しています、服薬指導 ―短時間で患者の心を掴み、リスク回避!
公開日:2024年2月28日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(1): 0011./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(1): 0011.
https://doi.org/10.57554/2024-0011
https://doi.org/10.57554/2024-0011
はじめに
特定薬剤管理指導加算は、適正使用ができていないことで患者に大きな健康被害を及ぼす可能性のあるハイリスク薬に関する服薬指導について、薬剤師の専門的能力を活かし、適正かつ安全な使用ができるよう2010年度調剤報酬改定で新設された。 薬学的知見を最大限活かすことが求められる点数であり、薬剤師の対人業務の中核の一つと言える。
日本薬剤師会が「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」 1)を策定したことなどを背景とし、ハイリスク薬に関する服薬指導について診療報酬だけでなく、調剤報酬においても処方箋受付1回につき特定薬剤管理指導加算として10点を算定できるようになった。糖尿病薬関連では、「糖尿病用剤」および「膵臓ホルモン剤」が該当する。
つまり、医師のみならず、薬剤師が患者または患者家族に対して、正確に必要な薬剤の情報を伝えることが法的に認められたことを意味し、多くの保険薬局で糖尿病薬を交付する際に責任をもって対応している。しかし、一方で保険薬局での服薬指導にかかる平均時間は3~4分であり 2)、法的に求められる情報提供量を短時間に正確に伝えることは大変難しい。
今回は、糖尿病治療薬の特定薬剤管理指導加算および関連加算の算定条件と、これまでに筆者らがさまざまな背景の患者に対して行ってきた服薬指導について紹介する。