神経障害を有する糖尿病患者への療養支援
公開日:2024年11月22日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(6): 0087./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(6): 0087
https://doi.org/10.57554/2024-0087
https://doi.org/10.57554/2024-0087
はじめに
糖尿病性神経障害は、糖尿病を有する患者に最も高頻度にみられる合併症である。糖尿病性神経障害の自覚症状は多岐にわたり、QOLを損なうだけでなく、足潰瘍および下肢切断、心血管死のリスクを上昇させる。糖尿病を有する患者の増加に伴い、糖尿病性神経障害を有し、足病変や心血管死のリスクが高い患者が増加していくことが考えられる。ほかの合併症と同様、定期的に神経障害の有無や症状を評価し、必要に応じて対症療法やフットケアを行う必要がある。
1.糖尿病性神経障害の分類
糖尿病性神経障害は、全身性で遠位対称性の多発神経障害と、局所性の単神経障害・神経根症に分けられる 1)。主に前者を糖尿病性多発神経障害(diabetic polyneuropathy:DPN)と呼び、糖尿病性神経障害の大半を占める。DPNはさらに感覚・運動神経障害と自律神経障害に分類される。
局所性の神経障害のうち頻度が高いのは単神経障害で、脳神経障害と四肢絞扼性・圧迫性神経障害が含まれる(表1)。
