苦労しています、服薬指導 ―短時間で患者の心を掴み、リスク回避!Q&A

  • 岸本美也子 Kishimoto, Miyako
    山王病院 糖尿病内分泌代謝内科 内科部長(糖尿病・代謝)
    太田美鈴 Ota, Misuzu
    山王メディカルセンター/山王病院 薬剤室
公開日:2024年2月28日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(1): 0012./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(1): 0012.
https://doi.org/10.57554/2024-0012

「苦労しています、服薬指導 ―短時間で患者の心を掴み、リスク回避!」に関するQ&Aです。

時間とマンパワーに限りがあるなか、糖尿病患者に対して適切な服薬指導をするための留意点やコツを教えてください。

服薬指導は、患者の薬物治療が適切にできているか確認し、患者に必要な薬剤情報を提供できる最後の砦です。多忙な業務の中、充分な時間がさけない状況下で、いかに要点を押さえたテーラーメイドの服薬指導を実践するか、下記に私たちが心掛けているポイントを示します。

ポイント1.問題点を明確にして、薬剤師間で情報共有

 一人の患者に対応するのは毎回同じ薬剤師とは限りません。かかりつけ薬剤師の指名を行っていなければ、むしろ違うことのほうが多いでしょう。前回担当した薬剤師が気付いた問題点(例えば、インスリン使用中の患者で、インスリンや注射針の残数が合わず、適切に注射が実施できているか不明など)を、次回担当の薬剤師に明確に伝え、確認してもらう必要があります。院内薬局でSOAPなどのカルテ記載が確認できる状況であれば、担当医や看護師の記録や、薬剤師の服薬指導記録から、問題点の抽出や情報共有が可能です。保険薬局においても、薬歴で薬剤師間の申し送りができれば、短時間で効率の良い服薬指導ができるでしょう。申し送りに長い文章は不要です。箇条書きでよいですし、ハイリスク加算の算定条件に該当する内容以外は、1回で全て確認・指導しようとは思わずに、今回はここ、次回はこれ、というようにポイントを絞るのも一案です。

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