小児期思春期糖尿病患者に対する療養支援
https://doi.org/10.57554/2026-0010
はじめに
小児期思春期糖尿病は、成人と同様に1型糖尿病と2型糖尿病に大別される。いずれの糖尿病も、小児期思春期では精神的に未熟であり、また生活習慣や食習慣が成人と比べて一定していないことが、療養支援の問題となることが多い。さらに慢性疾患患者の中でも小児期思春期糖尿病患者では、ある一定の年齢になっても親離れ、子離れしていないケースが目立ち、治療や管理は保護者が主体となり、思春期年齢に達しても自立していない症例がしばしば見られる 1~4)。このような症例の問題解決には、多職種連携のチーム医療が極めて有効である。
1.1型糖尿病患者における療養支援のポイント
1型糖尿病患者の治療の主体はインスリン治療である。過食や糖質の摂り過ぎに注意すれば、食事は年齢相当の必要エネルギーを摂取でき、間食や夜食も摂ってもよい。運動に関しても、低血糖の発生に注意すれば全ての運動が可能である 1, 2)。
小児期思春期1型糖尿病の年齢ごとのインスリン治療と管理の特色を表1に示すが、その内容や方針はそれぞれで異なる。乳幼児期においては、治療と管理の中心は保護者であり、保護者の取り組む姿勢が血糖管理に大きく寄与する。そしてインスリン治療の中心は、頻回インスリン注射(multiple daily injections of insulin:MDI)よりも、インスリンポンプである。学童期においては、MDIではインスリン自己注射と血糖自己測定を中心とした自己管理を開始する。そしてMDI、インスリンポンプのいずれを選択するにせよ、自らの生活様式に適合したインスリン治療を選択する必要がある。治療の選択と自己管理の遂行には、治療と管理を保護者任せにするのではなく、その意義を保護者とともに考えることが重要である。われわれは、インスリン自己注射と血糖自己測定を小学校入学時(7歳以上)には実施できるように指導しているが、看護師を中心に、時間をかけて繰り返し指導することで実施可能である。また、今はインスリンポンプや持続血糖測定(continuous glucose monitoring:CGM)が全年齢で広く使用されるようになったが、これらの手技も段階を踏めば、小学生以上の年齢で習得可能である。そして思春期においては、治療への反発が大きいと言われるが、思春期の問題は糖尿病患者に限ったものではなく、チーム医療に携わる全員が患者の目線に合った指導をするよう心掛けている。思春期は成人期医療への移行(トランジション)を開始する時期であり、社会的にも心理的にも自立を促し、自己管理の確立を目指す必要がある。トランジションの準備には、表2、3に示す成人期医療移行チェックリスト 5~7)が有用である。

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