糖尿病薬の服薬実施率向上を目指した工夫
公開日:2026年2月19日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(1): 0012./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(1): 0012.
https://doi.org/10.57554/2026-0012
https://doi.org/10.57554/2026-0012
はじめに
糖尿病は慢性疾患であり、継続的な薬物療法が不可欠である。患者は自覚症状が乏しくても長期にわたり薬物療法を続ける必要があり、高い服薬実施率を維持する必要がある。その低下は、治療効果の減弱や合併症のリスク増加につながる可能性がある。従って、糖尿病薬の服薬実施率を向上させるためには、医療現場における実践的な工夫が求められる。本稿では、服薬実施率向上に資する具体的な取り組みについて、実践的な視点から解説する。
1.服薬実施率の現状
近年の報告によれば、糖尿病患者における服薬実施率には依然として課題が残されている。亀井ら 1)は、2型糖尿病患者のアドヒアランス不良群が全体の約3割を占め、服薬回数の増加がアドヒアランス低下および服薬負担感の増大に関連することを示した。一方、黒岡ら 2)は、良好な血糖管理には服薬遵守率95%以上が必要であり、高い遵守率がHbA1cの改善に寄与することを報告している。これらの知見は、糖尿病治療における服薬支援の重要性と、個別対応の必要性を示唆している。