糖尿病薬の服薬実施率向上を目指した工夫Q&A
公開日:2026年2月19日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(1): 0013./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(1): 0013.
https://doi.org/10.57554/2026-0013
https://doi.org/10.57554/2026-0013
服薬実施率が不良で血糖高値のために入院となった患者から、「薬の数と回数が多くて飲みたくない」「自分は病人だと常に自覚してしまうのが嫌だ」と訴えがありました。どのような対応がよいでしょうか。
糖尿病治療において、服薬実施率は血糖管理に直結する重要な要素です。今回のように「薬の数と回数が多くて飲みたくない」「病人だと常に自覚してしまうのが嫌だ」と訴える患者に対しては、患者の心理的・社会的背景を踏まえた包括的な対応が求められます。
このような患者の行動変容を支援する際には、行動変容ステージモデル(Transtheoretical model:TTM)の視点が有効です。TTMでは、患者の行動変容を「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の5段階に分けて捉えます。今回の患者は、治療の必要性を理解しながらも心理的抵抗感を示しており、「関心期」にあると考えられます。この段階では、患者の価値観や感情に寄り添いながら、治療のメリット・デメリットを整理し、患者自身が治療を選択できるよう支援することが重要です。関心期の患者には、教育的介入よりも共感的な対話や選択肢の提示が効果的とされており、準備期への移行を促す支援が求められます。