6.肥満合併MASLDの治療戦略

  • 山﨑孝太 Yamazaki, Kouta
    佐賀大学医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科 助教
    高橋宏和 Takahashi, Hirokazu
    佐賀大学医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科 教授
公開日:2026年2月19日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(1): 0007./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(1): 0007.
https://doi.org/10.57554/2026-0007

はじめに

 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction associated steatotic liver disease:MASLD)は、心代謝系危険因子(cardiometabolic risk factors)の併存を必須とする脂肪性肝疾患であり、肥満や過体重は心代謝系危険因子のひとつである。肥満と肥満症は異なり、脂肪性肝疾患は、日本肥満学会が定める肥満症における健康障害のひとつである 1)。また近年、海外においてもpreclinical obesity、clinical obesityの考え方が示され 2)、肥満に併存するさまざまな健康障害・臓器障害の臨床的意義が重要視されている。肥満に対する介入は、肥満“症”の改善をもたらし、MASLDも例外ではない。本稿では、肥満合併MASLDの治療戦略について概説する。

1.MASLDの疫学

 本邦におけるMASLDの有病率は約25%である。全国13施設(n=71,254)が参加し、主に健診・人間ドック受診者を対象とした疫学研究においては、MASLDの有病率は25.8%、男性37.4%、女性18.1%であり、このうちBMI 25kg/m2以上の肥満を合併するMASLDは57.1%であった 3)。同じ報告で、BMIが上昇するにつれてMASLDの有病率は増加し、BMI<23kg/m2で8.9%、23~25kg/m2で34%、25~28kg/m2で55.3%、≧28kg/m2で76.7%であった。グローバルでの研究を対象としたメタ解析では、MASLDの70%に肥満が合併すると報告されており 4)、肥満とMASLDとの結びつきは疫学的に非常に強い。

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