第5回 夜間頻尿への牛車腎気丸

  • 吉田麻美 Yoshida, Mami
    藍野病院 副院長
公開日:2026年2月26日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(1): 0015./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(1): 0015.
https://doi.org/10.57554/2026-0015

はじめに

 夜間頻尿とは、夜間に排尿のために1回以上起きなければならないという愁訴であると定義され、加齢とともに増加し、生活の質(QOL)の低下に強く関与している。リスク因子として、年齢以外には、糖尿病、高血圧、脳血管障害、利尿薬の使用、心疾患、腎泌尿器疾患、肥満、睡眠障害などがある。病態によって治療法が異なるため、原因を調べた上での対応が必要であるが、複数の要因が重なりやすく、実臨床では西洋医学的治療のみで十分な改善が得られない場面も多い。そのため、漢方医学の役割が期待される。

1.夜間頻尿の病態と治療

 夜間頻尿には夜間多尿、膀胱畜尿障害、睡眠障害の3つの要因があり、また循環器疾患も関与し、これらの要因が単一あるいは複数で関与している。①夜間多尿は、水分過剰摂取、加齢による夜間の抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone:ADH)分泌低下や、心血管性、利尿薬などの薬剤性が原因となる。男性の夜間多尿に伴う夜間頻尿に対してはデスモプレシンが保険適用であるが、特に高齢者では低ナトリウム血症に注意が必要である。②膀胱畜尿障害には、過活動膀胱(overactive bladder:OAB)、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群、男性では前立腺肥大症、前立腺癌、女性では骨盤臓器脱などが原因となる。OABには膀胱平滑筋の収縮を抑制する抗コリン薬やβ3アドレナリン受容体作動薬、前立腺肥大には、尿道抵抗を低下させるα1遮断薬やホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬などを用いる。間質性膀胱炎や骨盤臓器脱では、手術を含めた原疾患の治療が必要である。③睡眠障害には睡眠薬などが用いられる。糖尿病、パーキンソン病、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)などは不眠だけでなく夜間頻尿も生じやすい 1)
 いずれの場合も、行動療法や生活習慣の是正の指導を併用することが肝要である 1)

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