下肢切断を回避するために医療連携を含めたチーム医療を活用する Q&A
公開日:2023年3月22日
No:a0027/https://doi.org/10.57554/a0027
「下肢切断を回避するために医療連携を含めたチーム医療を活用する」に関するQ&Aです。
糖尿病性足病変のチーム医療を機能させるアイデア・コツを教えてください。
糖尿病の足病変対応において、フットケアチームを機能させていくことに課題を感じている医療者はたくさんいるのではないでしょうか。これはどの医療機関でも多かれ少なかれ直面する課題であり、わが国の医療システム上の課題でもあります。わが国の医療は診療科ごとに専門性が分かれた縦割りの医療を行っているため、糖尿病性足病変のような全身から局所までを総合的に治療するチーム医療がスムーズにいかないことが多いのです。
フットケアの実践者である看護師においても、組織横断的に活動する立場にある者はごく一部の専門資格(糖尿病看護認定看護師や皮膚・排泄ケア認定看護師など)を有する看護師に限られていることが多く、ほとんどの看護師はいずれかの部署に属し、その部署の業務範囲を超えて活動することは難しいと思います。ですから、「うまくいかない」としてもそれは当たり前の状態だと受け止めることも大事だと思っています。
では、このような医療環境の中でフットケアチームを機能させていくにはどうすればいいでしょうか。
みなさんの描く理想のチーム医療とはどのような形でしょうか。多診療科の治療介入が必要な足病変に対し、各診療科が気軽に相談し合える関係にあり、治療介入も迅速で、その後も必要な医療が途切れることなくつながっていく、そんな形が理想でしょうか。筆者もこのような形であればいいと思い続けていますが、現実はそう甘くはありません。