2.先端巨大症の診断と治療update

  • 大町侑香 Ohmachi, Yuka
    神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学
    福岡秀規 Fukuoka, Hidenori
    神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 講師
公開日:2025年11月13日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2025; 3(6): 0085./J Pract Diabetes Endocrinol. 2025; 3(6): 0085.
https://doi.org/10.57554/2025-0085

はじめに

 先端巨大症は特徴的な身体所見を呈する疾患であるが、現在も診断までに時間を要していることが多く、早期診断には課題が残っている。一方、治療法は多様に発展しており、その適切な選択が求められている。また治療目的として、生化学的寛解に加え、生活の質(QOL)や合併症の改善の重要性が注目されている。本稿では、先端巨大症の概要を述べ、日常診療におけるポイントを解説する。

1.原因と病態

 先端巨大症は、主に成長ホルモン(GH)の過剰分泌を原因とし、その結果、インスリン様成長因子(IGF)-Ⅰ作用も過剰となる。GHは主にIGF-Ⅰを介して骨格筋、骨、軟骨における成長に関わっていると同時に、肝臓や筋肉、脂肪組織などに作用し、代謝を調整するホルモンである。しかし、本症における過剰なGHとIGF-Ⅰは、心血管系、呼吸器系、腫瘍性疾患の高い罹患率と、これらに起因した死亡率上昇と関連している。
 本疾患のほとんどが、GH産生下垂体腫瘍によって発症するが、まれな原因として、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)産生腫瘍などが知られている。骨端線閉鎖前に発症した場合には高身長を呈し、「下垂体性巨人症」として「先端巨大症」と区別される。

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