糖尿病と歯周病Q&A
https://doi.org/10.57554/2026-0078
普段、歯科の先生と直接お話しする機会がありません。医科歯科連携にあたって活用できるツールや、実際の連携の例があったら教えてください。
糖尿病は単に血糖値を上昇させるだけではなく、慢性的な高血糖により全身にさまざまな合併症、併存症を起こすことは広く知られています。糖尿病性合併症や併存疾患は、血糖コントロールの状況によって重症度や治療に対する反応、治療後の再発の可能性が左右されるので、糖尿病を持つ患者の受診先で血糖コントロールについての情報を共有することは今後の治療計画やフォローアップ間隔を決める上でとても重要です。その中でも、糖尿病の併存疾患のひとつとして挙げられる歯周病は、糖尿病の第6の合併症であると言われるほど糖尿病患者に多く認められ、密接な関連があることがわかってきています。歯周病は重症であればあるほど糖尿病の血糖コントロールの悪化の原因となる上、血糖コントロール不良な状態では歯周病としても難治性、再発性となるので、糖尿病患者の歯科所見は治療方針を決める上でとても重要です。一方で、患者に歯科治療の状況をお聞きしても、特に高齢者や、病識の乏しい患者ははっきりと認識しておられない場合もあります。
そのような場合に活用しやすいのは糖尿病連携手帳(現 JADEC連携手帳)です。この手帳は糖尿病に関する正しい知識の普及、啓発、糖尿病予防と健康増進のための調査研究などの事業を行う公益社団法人日本糖尿病協会が発行しており、多くの医療機関に置いてあります。手帳には円滑な糖尿病診療を受けることができるように血液検査結果を記載するページのほかに、眼科、歯科への受診日とその診察結果、関連検査結果を記載する欄があり、血糖の管理状況だけではなく、糖尿病性腎症や網膜症などの合併症の状態や、歯科受診歴と口腔内所見、所見の変化、次回の受診日を確認することができます(図1, 2)。