周術期の糖尿病管理Q&A
公開日:2026年6月25日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(3): 0045./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(3): 0045.
https://doi.org/10.57554/2026-0045
https://doi.org/10.57554/2026-0045
DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、メトホルミンを服用している糖尿病がある人が変形性膝関節症の手術のため入院になりました。手術当日は絶飲食で点滴管理と言われています。注意点と血糖管理の方法を教えて下さい。
変形性膝関節症に対して、疼痛の改善や身体活動に関する生活の質(QOL)の改善のために人工膝関節置換術が行われます。人工関節置換術は体内の深部における手術ですが、人工関節という人工物を体内に入れると、そこに細菌がバイオフィルムと呼ばれる構造を形成した場合、感染を治りにくくする温床となり得ます。また、関節の中で特に軟骨周囲は血流に乏しく、一度感染が起こった場合に白血球の遊走が起こりにくく感染の治癒が遅延する傾向にあります。また、提示されている症例は、内服薬から肥満を合併している可能性があると推定されますが、糖尿病や肥満を合併していることは、術後に感染症をはじめとする合併症が起こりやすくなる要因となります。挿入した人工関節に感染が起こると、多くの場合再手術が必要となりますので、せっかく手術を行っても患者のQOLを大きく損なうことになります。このため、特に整形外科手術は、感染を予防することを見据えて良好な血糖管理を実現することが非常に重要となります。