5.二次性高血圧の管理

  • 吉田雄一 Yoshida, Yuichi
    大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 講師
    柴田洋孝 Shibata, Hirotaka
    大分大学 理事・副学長/医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 教授
公開日:2026年8月6日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2026; 4(4): 0055./J Pract Diabetes Endocrinol. 2026; 4(4): 0055.
https://doi.org/10.57554/2026-0055

はじめに

 二次性高血圧とは特定の原因によって発症する高血圧である。原因を同定して治療が行えた場合、効果的に血圧を下げることができる疾患が多いことから、適切な診断が重要である。二次性高血圧が疑われる患者の特徴として、電解質異常を伴う、若年発症、治療抵抗性、若年で脳心血管障害を発症した例が挙げられる。このような背景のある高血圧患者では、二次性高血圧を疑い表1に記載したスクリーニング検査を検討する必要がある。本稿では、頻度が高い、あるいは見逃した場合の影響が大きい内分泌性高血圧として、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、軽度自律性コルチゾール過剰分泌(mild autonomous cortisol secretion:MACS)、褐色細胞腫・パラガングリオーマについて述べる。

表1 二次性高血圧のスクリーニング方法
表1 二次性高血圧のスクリーニング方法

画像をクリックすると拡大します

1.原発性アルドステロン症(PA)

1)概要

 PAは副腎からアルドステロンが過剰に産生されることにより発症し、全高血圧の5~10%程度と考えられている。また、脳心血管イベントや心房細動などの不整脈、慢性腎臓病などの合併症をきたしやすい。低カリウム血症(利尿薬投与の有無によらない)、治療抵抗性高血圧、40歳未満の発症、未治療高血圧(150/100mmHg以上)、副腎腫瘍、若年での脳卒中、睡眠時無呼吸症候群などではスクリーニング検査が必要である。PAは片側性(アルドステロン産生腺腫など)と両側性(特発性)に大別され、片側性では血圧コントロールに難渋し、低カリウム血症をきたすことも多い。PAに関する本邦のガイドラインとして、日本内分泌学会が作成したもの 1)や、日本高血圧学会が作成したもの 2)があるが、いずれも実地診療上の大きな相違はない(図1)。

このコンテンツは糖尿病・内分泌プラクティスWebをご購読後にお読みいただけます。

明日の臨床に役立つ時宜を捉えたテーマについて、内分泌代謝・糖尿病内科領域のエキスパートが解説。
毎週論文が更新され、いつでも “オンライン” で日常診療に役立つ情報をアップデートできます。

最新のアップデートに加え、これまでの掲載してきた100論文以上を読み放題です。
この機会に読みたかった論文に加え、気になる特集やセミナーを見つけてください。

■特 集(https://practice.dm-rg.net/main
内分泌代謝・糖尿病内科領域から押さえておきたい選りすぐりのテーマを、エキスパートが徹底解説。

■セミナー( https://practice.dm-rg.net/special
セミナー基礎医学から臨床に役立つ実践的な内容まで、多種多様なコーナーが学びをサポート。

■連 載(https://practice.dm-rg.net/series
独自の切り口と多彩な情報が満載、知的好奇心を刺激する連載。

「高血圧管理・治療ガイドライン2025」 ―心・腎・代謝連関の視点から― 一覧へ 『4巻4号(2026年7・8月号)』(発行号ページ)へ

セミナー

連載