5.二次性高血圧の管理
https://doi.org/10.57554/2026-0055
はじめに
二次性高血圧とは特定の原因によって発症する高血圧である。原因を同定して治療が行えた場合、効果的に血圧を下げることができる疾患が多いことから、適切な診断が重要である。二次性高血圧が疑われる患者の特徴として、電解質異常を伴う、若年発症、治療抵抗性、若年で脳心血管障害を発症した例が挙げられる。このような背景のある高血圧患者では、二次性高血圧を疑い表1に記載したスクリーニング検査を検討する必要がある。本稿では、頻度が高い、あるいは見逃した場合の影響が大きい内分泌性高血圧として、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、軽度自律性コルチゾール過剰分泌(mild autonomous cortisol secretion:MACS)、褐色細胞腫・パラガングリオーマについて述べる。
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1.原発性アルドステロン症(PA)
1)概要
PAは副腎からアルドステロンが過剰に産生されることにより発症し、全高血圧の5~10%程度と考えられている。また、脳心血管イベントや心房細動などの不整脈、慢性腎臓病などの合併症をきたしやすい。低カリウム血症(利尿薬投与の有無によらない)、治療抵抗性高血圧、40歳未満の発症、未治療高血圧(150/100mmHg以上)、副腎腫瘍、若年での脳卒中、睡眠時無呼吸症候群などではスクリーニング検査が必要である。PAは片側性(アルドステロン産生腺腫など)と両側性(特発性)に大別され、片側性では血圧コントロールに難渋し、低カリウム血症をきたすことも多い。PAに関する本邦のガイドラインとして、日本内分泌学会が作成したもの 1)や、日本高血圧学会が作成したもの 2)があるが、いずれも実地診療上の大きな相違はない(図1)。