2.Childhood Cancer Survivor(CCS)の小児期から成人にかけての内分泌診療

  • 依藤 亨 Yorifuji, Tohru
    伊達赤十字病院 第2内科部 部長
公開日:2025年1月21日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2025; 3(1): 0003./J Pract Diabetes Endocrinol. 2025; 3(1): 0003.
https://doi.org/10.57554/2025-0003

1.小児がん診療の現況

 近年のがん診療の進歩に伴い、予後の改善が目覚ましい。とりわけ、治療感受性の高い血液腫瘍、脳腫瘍の多い小児がんにおいては成人のがんに先駆けて高い生存率を示しており、2002~2006年の時点ですでに80%近い発症時5年生存率を示してきた 1)。わが国の小児がん発生率を年間2,000~2,300人 2)とすると、各年齢層の約500~600人に1人が小児がんサバイバー(Childhood Cancer Survivor:CCS)ということになる。また、生物学的に悪性腫瘍ではない頭蓋咽頭腫なども治療後合併症の多さから慣例的にCCSの一部として扱われる。

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