1.糖尿病関連腎臓病の概念と定義
公開日:2025年3月7日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2025; 3(2): 0017./J Pract Diabetes Endocrinol. 2025; 3(2): 0017.
https://doi.org/10.57554/2025-0017
https://doi.org/10.57554/2025-0017
はじめに
糖尿病の併存疾患の中で慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)は主要なものの一つである。しかし、その腎障害を表現する名称に関してはDiabetic Nephropathy、Diabetic Kidney Disease、CKD with Diabetes、あるいはDiabetes and CKDなど呼称に関して世界的にもさまざまな混乱がある。同様の混乱は本邦でも認めていた。そこで、2024年より日本糖尿病学会、日本腎臓学会は米国を中心として世界で多く使われている「Diabetic Kidney Disease」に対応する日本語訳を「糖尿病関連腎臓病」とし、その概念を定義した。本稿では、糖尿病症例における腎臓合併症の歴史的背景を振り返るとともに、疾病概念の定義と定義が必要となった背景も概説する。