4.糖尿病性腎症の食事療法
公開日:2024年12月13日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(6): 0083./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(6): 0083.
https://doi.org/10.57554/2024-0083
https://doi.org/10.57554/2024-0083
はじめに
糖尿病を有する患者も高齢化が進んでおり、高齢者糖尿病は腎症を含む最小血管症や動脈硬化性疾患のほか、認知症、サルコペニアなどの併存疾患をきたしやすい 1)。
糖尿病性腎症の食事療養基準として、「CKDステージによる食事療法基準」(表1)を参照するが、CKDは病期の進展とともに、たんぱく質やリン、カリウム、食塩の制限が必要になる。そして、これらは摂取エネルギー不足となり、Protein Energy Wasting(PEW)をはじめとする低栄養状態を招くことが多い。その上、糖尿病や腎臓病は病態そのものからくる炎症性代謝亢進も加わるため、さらに注意が必要である。
これらのことを踏まえ、サルコペニアを有する高齢者糖尿病性腎症の食事療法について概説する。