ステロイド薬の使い分けとステロイドカバーQ&A
公開日:2024年3月22日
糖尿病・内分泌プラクティスWeb. 2024; 2(2): 0030./J Pract Diabetes Endocrinol. 2024; 2(2): 0030.
https://doi.org/10.57554/2024-0030
https://doi.org/10.57554/2024-0030
「ステロイド薬の使い分けとステロイドカバー」に関するQ&Aです。
周術期のステロイドカバーについて、治療適応となる患者さんや実際のステロイド補充療法について教えてください
副腎皮質機能低下症の患者(高用量ステロイド長期内服中の患者を含む)は、周術期に副腎クリーゼ対策としてステロイドカバーが必要です。ステロイド補充量については報告により多少の相違を認めます。2015年に日本内分泌学会の出した指針には、小手術では30~50mg/日、中等度の手術では50~75mg/日、全身麻酔下の大手術の場合は100~150mg/日程度のヒドロコルチゾンを補充すると示されています 1)。ステロイドカバーの適応となる患者さんについても、一定の見解はありませんが、プレドニゾロン換算で5mg以上かつ3週間以上の投与の場合はHPA axisに抑制が生じるため、ステロイドカバーが必要と考えます。投与量については、表1を参照してください。ここでは、実際の症例を提示し、具体的な投与量について考えていきます。