多職種連携による肥満治療の効果的な動機付けQ&A
「多職種連携による肥満治療の効果的な動機付け」に関するQ&Aです。
外来では肥満患者にどのように動機付けをするとよいでしょうか?良いツールはありますか?
本文にも記載したように、生活習慣の改善継続には、行動療法的アプローチが有効です。初診以降継続して記録してもらうダイエットノートはセルフモニタリングに効果を発揮するほか、診療時間の短縮・効率化にも繋がります。ダイエットノートを記録し続けた方は減量に成功されていますが、途中でやめたり、最初から未使用の方は減量できていません。このことからもセルフマネジメントの重要性が分かります。また、院内のメタボ対策ランチで塩分や脂質、カロリー制限の程度を実感することも食生活是正の動機付けに役立っています。患者が自分で食生活の改善を継続できることが重要なのでレシピ本の活用は非常にお勧めです。今回は、「ダイエットノート」や「レシピ本」などのツールが奏功した症例をご紹介します。
症例1:30代女性 「肥満減量ツールのダイエットノートを用いて減量成功!」(図1)
(治療前:体重88.9 kg、BMI 36.6kg/m2、現病歴:糖尿病、無月経)
本症例は、初診時配布したダイエットノートに、毎日の食事内容(朝食・昼食・夕食・間食)、体重、歩数のみならず、日々の感想や反省も記入できており、翌日以降の改善に活かすことができていました。実際に初診時から1カ月で体重は88.9kgから85.8kgへ-4.1kg減量、HbA1cは7.3%から6.6%へと-0.7%改善し、現在も減量を継続することができています。本症例はダイエットノートの活用により、自身の食行動をセルフモニタリングできるようになり、さらに医師やメディカルスタッフからのフィードバックも手伝って、今後も減量が継続できると期待しています。