多職種連携による肥満治療の効果的な動機付け
公開日:2023年7月11日
No:a0057/https://doi.org/10.57554/a0057
はじめに
近年、飽食の時代の到来ともにわが国でも肥満人口が増加し、内臓肥満を基盤に複数の生活習慣病が集積するメタボリックシンドローム(MetS)が予備群合わせて、成人男性の2人に1人、女性の5人に1人にのぼる 1)。国内外の疫学研究より、MetSの危険因子が重積するほど心血管病(CVD)リスクが上昇し、脳卒中、CVDや慢性腎臓病(CKD)の発症率が有意に高くなることが示された 2, 3)。糖尿病においても肥満が原因で発症する患者が急増していたため 4)、当院の糖尿病センターでは、2001年に「肥満・運動療法外来」を開設し、2004年以降は「肥満・メタボリック症候群外来」と改称して、22年にわたり、肥満を専門とした生活習慣病の診療を行ってきた。本稿では、22年来の多職種連携による肥満・メタボ診療の経験に基づいて、効果的な肥満治療の動機付けについて概説する。