はじめに 妊娠中に血糖の異常をきたす「妊婦の糖代謝異常」は、母児の健康問題を引き起こすことが知られている(表1)。母体に惹起される問題は流産および早産、羊水過多、帝王切開となる率の増加、妊娠高血圧症候群の合併などがある。児については、妊娠初期から高血糖状態にある場合には胎児死亡(母体の流産につながる)や先天異常、妊娠経過中の母体の高血糖状態の児への影響としては巨大児・large for gestational age(LGA)児(過体重児)、新生児低血糖症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、呼吸窮迫症候群などが挙げられる 1)。妊婦の糖代謝異常は全妊婦のうちのおよそ10%にみられると考えられており、妊娠中に血糖測定などの検査を行い、見逃すことなく発見し母児の健康問題のリスクを回避しなければならない。本稿では、妊婦の糖代謝異常について、診断を中心に述べる。
医学と医療の進歩とともに、妊娠中の女性の健康を守るための知識と技術が高度化してきた。その中でも糖尿病・内分泌代謝領域においては、高血糖と高血圧の管理が、母体と児の健康を守る上で重要な課題となっている。また、生殖年齢の女性に好発するバセドウ病をはじめとする甲状腺機能異常症への対応についても多くの経験が蓄積されてきた。さらに、妊娠希望者の高齢化や生殖補助技術の進歩により、さまざまな疾患や病態を抱えて妊娠・出産を希望する女性が増えており、これらの女性への対応も重要な課題となっている。このような背景から、プレコンセプションケアという考え方が注目されるようになり、多くの医療機関で実践されるようになっている。 本特集では、糖尿病・内分泌代謝領域に焦点を絞って、妊娠・出産もしくはそこに至る過程において生じるさまざまな問題について実践的な知識と情報を提供することを目指した。糖尿病もしくは糖代謝異常を有する患者においては、妊娠前から出産後の授乳に至るまで、さらには糖代謝異常に関するその後のフォローアップまで、きめ細やかな対応が必要であり、そのための解説を提供できるよう配慮した。 また、妊娠中の高血圧症は、とりわけ妊娠後期の母児の健康に重大な影響を及ぼす。かつては妊娠中毒症と称されていた病態は、現在では妊娠高血圧症候群と称される。とりわけ妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に初めて高血圧を発症し、かつ蛋白尿を伴うもので、分娩12週までに正常に復する場合である。ただし、蛋白尿を認めなくても肝機能障害や腎障害、母体脳卒中や神経障害、血液凝固障害、子宮胎盤機能不全などを認める場合も妊娠高血圧腎症と診断し、適切な治療が必要とされる。内分泌代謝領域では、とりわけ原発性アルドステロン症と褐色細胞腫が重要である。妊娠中は薬物療法に制限のある中で、手術を含めてどのように考え、対処するべきかを知ることが大切である。 バセドウ病は生殖年齢の女性に好発するため、その治療中に妊娠・出産を検討する場合が多い。また、時には、妊娠中にバセドウ病罹患に気付かれることもあり、対応に苦慮する。いずれの場合も、無事に出産、そして授乳に漕ぎつけることができるようさまざまな対応が必要となるため、そのための知識を学び、実践することが望まれる。 原発性副甲状腺機能亢進症は女性に好発し、多くは自他覚症状に乏しい。そのため、健診や医療機関受診の機会の少ない若年女性では、罹患に気付かないままに妊娠し、妊娠中に本症と診断されることがある。著しい高カルシウム血症のまま分娩に臨むことは避けるべきであり、妊娠の安定期に副甲状腺手術を実施することが教科書的であるが、現実的な対処法についての記述は乏しい。本特集ではより具体的な解説を提供することを心がけている。 現在は、生殖補助技術により、中枢性卵巣機能不全であっても挙児が可能となっており、間脳下垂体疾患の女性の妊娠・出産はまれではない。このような患者に対応することも内分泌代謝科医師の責務であり、そのための研鑽にも、本特集の論文を積極的に活用していただければ幸いである。 著者のCOI (conflicts of interest)開示:本論文発表内容に関連して特に申告なし 本記事のPDFをダウンロードいただけます
はじめに 医科診療報酬点数表に掲載されている「基本診療料」は、初診、再診および入院時に行われる基本的な診療行為の費用を一括して評価するものである。一方、医科診療報酬点数表の「特掲診療料」は、基本診療料として一括して支払うことが妥当でない、特別の診療行為に対して個々に点数を設定し評価を行うものであり、評価項目は、「医学管理等」、「在宅医療」、「検査」、「画像診断」および「投薬」に分けられる。「医学管理等」は、特殊な疾患に対する診療で、医療機関が連携して行う治療管理および特定の医学管理などが行われた場合に算定する点数である 1)。よって今回は、糖尿病に係る「医学管理等」の算定項目について、2022年度の診療報酬改定に従い、「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)」 2)、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」 3)、「特掲診察料の施設基準等の一部を改正する件(告示)」 4)および「特掲診療料の施設基準等およびその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」 5)、これらをもとに概説する。
はじめに 糖尿病治療の目標は糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLの確保であり、そのためには、血糖値を目標レベルにすることに加えて、脂質、血圧、肥満、喫煙などの多くのリスクを総合的にコントロールし血管障害などの種々合併症を予防することが必要といわれている。このフレーズは、血糖値を目標レベルに維持することのみに集中することへの注意喚起で、血糖値を目標レベルに維持することは糖尿病治療の基礎と思われる。血糖値をできる限り厳格に調整するのがよいには違いないが、平均的な血糖値レベルの指標であるHbA1cを基準とした場合は、低血糖のリスクが増え死亡のみならず血管障害も悪化させることが知られており、血糖値の上下変動が小さい、低血糖のリスクを減らした形での血糖値目標レベルの設定が必要と思われている 1)。このような目標の達成は、血糖値を血糖値非依存性に下げるSU薬やインスリンを中心とした従来の治療法では難しかったが、ここ10年、インクレチン関連薬やSGLT2阻害薬などの単独では低血糖のリスクを高めない種々の薬剤が使えるようになり、可能になりつつある。
はじめに 2型糖尿病の注射療法において、GLP-1受容体作動薬はすでに定着したが、2023年4月から新たな作用機序であるGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドが発売された。
前編 医師の立場から はじめに バセドウ病には治癒がなく、寛解を目指して治療を行う病気である。バセドウ病の療養は長期にわたるため、患者が継続的に病気と向き合い付き合っていくことが必要となる。そのためには、まず患者自身が病気の正しい知識を持つこと、自らが病気を理解して、治療に参加できるように支援すること、患者本来の社会生活が大きく中断されることがないよう多職種が連携して患者支援をおこなっていくことがポイントとなる。特に、これまで行ってきた治療方法からの変更にあたっては、患者への十分な情報提供を行った上で、患者自身が納得してより適切な治療選択ができるように、職種を超えて患者をサポートすることが必要である。
後編 医療スタッフの立場から Q&A編はこちら はじめに バセドウ病では甲状腺の自己免疫異常により甲状腺刺激ホルモンの受容体(TSH受容体)に対する抗体(TRAb)が出現している。このTRAbが甲状腺を刺激し、甲状腺が腫れ、甲状腺でのホルモンの分泌が盛んになりさまざまな症状を示す。バセドウ病は20~40歳台に好発し、男女比は1:4と女性に多い。バセドウ病は妊娠や出産などのライフステージにあわせて治療を選択したり、喫煙やストレスなど日常生活が増悪因子になり得ることから、禁煙したりストレスとうまく付き合いながら治療を継続したりする必要がある。また、薬物療法の中心である抗甲状腺薬治療では、副作用の頻度が高いこと、病気の勢いが安定せず薬の中止に至らない寛解導入困難や薬を中止することができた後にも再発が起こり得ることから、より確実にバセドウ病をコントロールするため放射性ヨウ素内用療法や手術への変更が好ましい場面がある 1)。適切な治療選択へ向けては、患者へ十分情報を提供しよく相談した上で意思決定がなされることが必要である。
はじめに Glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬は、その高い血糖降下作用に加えて、心血管イベントの抑制および腎保護効果についてのエビデンスも確立されており、臨床での使用機会が増えている。また、最近は経口薬も登場し、GLP-1受容体作動薬を必要とする患者の治療選択肢が広がった。本稿では、GLP-1受容体作動薬のポジショニングと導入の実際、注意事項について解説する。
はじめに 糖尿病治療において近年、新規薬剤の登場が続いており、デバイスも大きな進化を遂げている。デバイスに関する特筆すべき変化は、外来診療にて2021年以降、持続血糖モニター(Continuous Glucose Monitoring:CGM)を用いた血糖管理が広く行われるようになったことである。本稿では、CGMデータを解釈するための要点と、AGPレポート(図1)を活かした実臨床における活用法について紹介する。
Q&A編はこちら はじめに 下垂体は下垂体前葉ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)と、後葉ホルモンであるバソプレシン(AVP)、オキシトシンの分泌の場である。それぞれ視床下部からの制御および標的臓器からの負のフィードバックにより常に分泌調整が行われている(図1)。そのため、ホルモンの基礎値を評価する場合はその調節因子と共に解釈する必要がある。
はじめに インスリンポンプを用いた持続皮下インスリン注入療法(CSII)は、頻回注射法(MDI)と比して血糖管理を向上し、患者のQOLを高めるエビデンスが小児や妊婦など一部の集団におけるランダム化比較試験で示されてきたが普遍的な優位性を示すものではなかった 1, 2)。また、持続血糖モニター(CGM)が普及してからは、リアルタイムCGMを使用しているかどうかの方が、MDIかCSIIかよりも血糖管理上の意義が大きいことが明らかになった 3)。すなわち、CSIIにおいてもCGM機能を搭載したSAP(Sensor Augmented Pump)療法の選択が望ましいといえる。しかし、わが国でもハイブリッドクローズドループシステム(HCL)搭載型のインスリンポンプが登場した。HCLは、リアルワールド研究においても従来型のSAPやMDIに対して血糖改善効果が示されている 4)。実際に、基礎インスリンの設定に難渋することがなくなりつつある一方で、上手くHCLを継続できない症例も少なくない 5)。その背景にはさまざまな要因があり、適切な対応でHCL使用率が改善する可能性がある。本稿では、CSIIをどのように安全かつ有効に使用するかについて概説する。
はじめに 2型糖尿病は、インスリンの分泌障害とインスリン抵抗性、さらには脂肪毒性が絡み合って高血糖を特徴とした複雑な病態を示す疾患である。新規2型糖尿病患者を対象としたUKPDS(UK Prospective Diabetes Study)などの大規模臨床試験の結果から、経年的に膵β細胞機能が低下することが知られており、経過とともにインスリン治療を行う患者は増加する。インスリン治療を検討するタイミングとしてよくあるのは、経口血糖降下薬だけでは血糖管理が安定しない、増量しても改善しない場合である。しかしインスリン導入を入院に限ると、仕事や学業、介護などの理由で数日でも入院はできないと考える人は多い。患者を説得し入院の同意が得られないと治療強化のタイミングを逃してしまう。そこで外来インスリン導入の出番である。それも糖尿病専門医に限らず外来での導入が可能となれば、遅滞なく多くの必要な患者への治療強化が可能となる。本稿では、2型糖尿病のインスリン治療の中でも外来診療でインスリン導入を考える際のポイントについて解説する。GLP-1受容体作動薬導入との使い分けや配合注に関する解説は本特集の他稿に譲る。
フランスの国際空港にその名前を冠するシャルル・ド・ゴール(図)は1890年11月22日、フランスのリールに5人兄弟の3番目として生まれた。ド・ゴール家は古い有産階級の家柄で父のアンリはパリのイエズス会系私立学校の平服教授であった 1, 2)。ド・ゴールは1909年から1912年にかけて陸軍士官学校に在学した。入学時の成績は221人中119番目であったが、卒業時は13番で少尉の位であった 2)。卒後に配属された部隊で、後に第一次世界大戦の英雄となるペタン大佐と邂逅した。ペタンとド・ゴールはナチス・ドイツとの戦いでは反目しあうこととなったが、ド・ゴールの能力を認め取り立てたのはペタンであった。第一次世界大戦でド・ゴールは三度負傷し、ドイツ軍の捕虜となる経験をした 3)。
1.ポイント 原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)は二次性高血圧の中でも最も頻度が高く、恒常的なミネラルコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor:MR)活性化が臓器障害を引き起こす。
はじめに 近年、腎臓領域において、腸内細菌との関連(腸腎連関)や心血管疾患との関連(心腎連関)が数多く報告されており、腎臓と多臓器との連関が注目されている。そのため、日常臨床においても専門分野だけでなく、臓器連関を意識した治療が肝要である。特に糖尿病・内分泌領域と腎臓領域との関わりといえば、sodium-glucose cotransporter 2(SGLT2)阻害薬の腎保護効果が想起され、すでに日常診療に浸透し始めている。慢性腎臓病におけるダパグリフロジンの効果を検討したDAPA-CKD試験では、CKD 患者において、糖尿病の有無にかかわらず、推算糸球体濾過量(eGFR)低下、末期腎不全、腎疾患死・心血管死の複合リスクがダパグリフロジン投与群で有意に低いという結果であった 1)。SGLT2阻害薬による腎保護効果の機序としては緻密斑を介した尿細管糸球体フィードバック、Na利尿作用による体液再分配、尿細管仕事量の減少による糖毒性や低酸素の改善、後続の尿細管への仕事量増加に起因した酸素需要の亢進によるエリスロポエチン産生促進などが挙げられる 2)。また、その他にもSGLT2阻害薬により心拍数増加を伴わない血圧低下がみられることから、交感神経への直接作用なども示唆されている。
はじめに 1型糖尿病の治療はインスリン療法が必須である。1993年に発表されたDiabetes Control Complication Trial 1)より、1型糖尿病患者には「強化インスリン療法」を行うことが普及した。「強化インスリン療法」は「頻回注射療法」と同義ではなく、例えば、米国糖尿病学会(ADA)から出版されたKaufmanらの書 2)には、「生活スタイルに合わせて患者自身がインスリンを調節し良好な血糖コントロールを求める方法」と定義されている。一方、本邦の丸山らの書 3)ではもっと具体的な治療方針を含む記述が示され、「頻回注射療法(MDI)あるいはインスリン持続皮下注入療法(CSII)に血糖自己測定(SMBG)を併用し、インスリン注射量を患者自らが調節しながら可能な限り良好な血糖コントロールを目指す方法」と定義している。「患者自らが生活や血糖に応じてインスリンを調整する」ことこそが強化インスリン療法である。
インスリンが1922年に発見されて高血糖状態であったレオナルド・トンプソン少年に注射されてから今年で101年目となる。自分(黒田)が1型糖尿病となりブタあるいはウシのインスリン製剤を打ち始めて約40年となった。当時のインスリンは現在のようにペン型のようなものはなく、使い捨ての注射器こそあったものの針は27Gと現在の34Gの注射針と比べると大変太い針であった。その後ヒトインスリン、ペン型注射器、インスリンポンプ、CGMが次々と開発利用されて糖尿病治療は飛躍的な進化を遂げた。しかしながら、これら最新の治療のUpdateについていくのが糖尿病専門医でも大変困難となってきているように感じる。 本特集では「糖尿病の注射薬療法の実際 ―インスリンとGLP-1・GIPの作動薬―」と題して7名のエキスパートの先生方にそれぞれのテーマの詳細と最新情報をご執筆いただいた。伊藤 新先生からは「1型糖尿病のインスリン治療」として強化インスリン療法の基本を中心にご執筆いただいた。岩田葉子先生、弘世貴久先生からは「2型糖尿病のインスリン治療」としてインスリンの導入についてのコツをご執筆いただいた。前田泰孝先生からは「最新インスリン注入デバイスを活用した糖尿病治療(ポンプを中心として)」として最新のHCLの治療についてご執筆いただいた。石黒瑞稀先生、西村理明先生からは「CGMデータを活用したインスリン治療の最適化」としてisCGM(FreeStyleリブレ)を用いてどのように治療に活かすのかについてご執筆いただいた。利根淳仁先生からは「GLP-1受容体作動薬による2型糖尿病治療」として注射のみならず内服製剤についてもご執筆いただいた。大西由希子先生からは「GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド)の特徴」としてチルゼパチドの治験を中心にご執筆いただいた。大門 眞先生からは「インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注」としてインスリンとGLP-1受容体作動薬の併用のメリットをご執筆いただいた。 全体に非常に読みやすく、その道のビギナーからプロといわれる先生方にとっても充実した内容に満足されることと期待する。 著者のCOI (conflicts of interest)開示:黒田暁生;講演料(ノボ ノルディスク ファーマ、日本イーライリリー、サノフィ)、鈴木 亮;講演料(ノボ ノルディスク ファーマ、日本イーライリリー、サノフィ) 本記事のPDFをダウンロードいただけます
はじめに 厚生労働省によると、わが国の糖尿病患者数は、生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加している。糖尿病は、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、糖尿病足病変、糖尿病大血管症などの慢性合併症を引き起こし、さらに糖尿病は脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症・進展を促進することも知られている。そしてこれらの合併症の把握と治療目的でさまざまな検査が行われている。よって本連載では諸検査の算定要件について、前回は検査の通則、検体検査判断料と検体検査管理加算および糖尿病が適応である各検体検査について概説した。そして今回は後編として、医科点数表の区分が「呼吸循環機能検査等」、「監視装置による諸検査」、「脳波検査等」、「神経・筋検査」、「眼科学的検査」、「負荷試験等」および「画像診断」について概説し、適応となる糖尿病と関連疾患を表に示した。各生体検査の医学的意義については、本誌の各特集などを参考にされたい。
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